院長著書と講演のご紹介

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『天使の翼がゴルフを決める』(文芸社)

(医療関係者向き) →一般の方向きはこちら
<注目>平成21年11月号、GOlfmecanicに肩甲骨パワーとして、院長の10数年以上にわたるスポーツ理論がインタビュー形式で掲載されていますので、ご興味のある方は雑誌を御覧いただければ幸いです。

今でこそ、肩甲骨および周辺筋の重要性を多職種の誰もが論じておられます。 しかし整形外科の領域ではここは私の知る限り、臨床で最も重要な肩甲上腕関節にとってあくまで附則的な意味での重要…といった程度にしかすぎないでしょう。

つまり、私から見れば、整形外科学全体がいわば、「木や葉のみを見て、森を見ていない」ということになりましょう。私は今から15年前の1993年から、整形外科では腕を挙げる動き以外では、肩甲骨の動きはあたかも「全く 無いもの?」として無視して扱っていた現状に異論を唱えてきたものです。

肩甲骨および周辺筋の発生、ヒト進化の立場、さらにその機能解剖学上から、治療医学としてではなく、スポーツパフォーマンスというスタンスにおいては、肩・上肢の中で、この肩甲骨および周辺筋が最も真に重要であることを一早く、一貫して強く主張してきました。つまり、肩をもっと「木や葉としてではなく、森として、もっと全体として評価するべきだ…」ということになりましょうか…。すなわち、これが、身体のつくりから見て理に適うことで障害も少なく、かつ同時に、パフォーマンスも高いという概念です。

私自身も整形外科医ですので、現場の整形外科の立場では、臨床面しか見つめてこれない状況も理解できています。臨床医学では、つまり「臨床で重要ではないこと=機能的にも重要ではない」ということになってしまっているのです。

私は逆に、「臨床面では基本的に重要ではない=最も壊れにくく、かつ最も力強いがために治りやすく、臨床では論じる必要ばない=機能的にもっとも力強い=スポーツパフォーマンスからはもっとも重要である」…と考えるべきである、と見つめ直しただけなのです。

この本は日本肩関節学会や日本スポーツ医学会での学会発表や投稿論文を整理し、肩甲骨(天使の翼)および周辺筋力の重要性を肩甲骨パワーとして一般の方々にも紹介し、ありとあらゆるスポーツ、もちろん投球動作でも…。そして、まずはゴルフを題材に、あらゆるスポーツの「ウマさ・強さ」、そして「若さが持つ謎」の徹底解明を意図した結果、書き上げたものです。

何故、これまで最も身体のつくりをよく知るはずの医学が上手さ・強さを一言も語れなかったのか…、皆さん、不思議に思われませんか?試しに、「整形外科スポーツ、強さ」で検索してみましょう…。実際には、整形外科領域では検索できないのが現実です。現実には柔道整復師やトレーナーだけでしょう…。これらの現状に対して、この本は、賢いはずの医学がどうしてこの部を見逃してきたのか?また見逃さざるを得なかったのか?そして医学ほどこの部を語れなない諸事情についてとことん、こだわった話です。

一言で言えば、「一人前の整形外科医になるためには、外科的治療に誰よりも長けてこそ初めて一人前の整形外科医になれます。そこには切らずに治せる外科的治療が不要な部位など、われわれ整形外科医が何の興味もなかった」ということでしょう…。実際、整形外科医よりも、トレーナーや柔整師(もちろん経験者もあり)の方がこだわっているケースが多いのは何故なのか?

当然、理学療法士等の目線で見つめれば、誰でも理解できるはずなのですが、理学療法士も弱い立場ですから(医師の指示がないと動けない)医師に助言することもできず、医師が最も言えないという極めて摩訶不思議な状況に陥ってしまっていたのです。この本では特にゴルフが中高年からは簡単には上手くなれない点についても理解していただると考えております。

中高年からゴルフを始めても、残念ながら、石川遼君やタイガーウッズにはなれないのです。それと、今や、常識となってしまったメンタル面の重要性ですが、ここにも肩甲骨および周辺筋は大きく関わっています。すなわち「メンタル」という言葉を単に精神・心・気持ち等という言葉に限ってはいけないという点です。実はこの部は「意識してコントロールする」という点からみれば、非常に難しい部位といえるのです。

つまり、手指(握る・伸ばす)、肘(曲げる・伸ばす)、肩(あげる・おろす)など目をつぶっていても十分に感じ取れますが、肝腎の肩甲骨の動きはほとんど認識できませんので、いかにこの部が大きく使われていようとも当人が全く認識できないため、いくら動かされていても全く察知できないということになってしまうのです。名プレーヤー必ずしも名監督・名コーチではなかったのは当然のことだったのです。

そして、たとえそこに気づいたプレーヤーがいてこの部の重要性を他人に伝えようとしても、聞く側が認識できるはずもなかったため、今だにスポーツ界でも無視され続けてきていると断定してよいでしょう。もともとフィジカルに強い(頭・脊椎・胸郭、骨盤~肩甲骨・上腕へ走行する大きく厚く幅広い筋群が関わります)はずの部位がこの肩甲骨周囲筋ですから、私に言わせれば、なんと「フィジカル≒メンタル」になってしまいます。

中山書店から2006年に最新整形外科学体系という全25巻の(総額80万円程度)の整形外科の教科書もでていますが、その中に13巻、肩関節・肩甲帯にも、肩甲骨の動きに関するコメントはわずかですし、年齢による肩甲骨の動きの低下の概念を整形外科学が持ち合わせていないのです。五十肩についても非常に大きな因子と考えていなのが、現在の整形外科の実情なのです…。誰でも幼い(小学校高学年程度でも十分)子供の背中をみれば分るはずなんですが…。石川遼君の肩の柔軟性を報じるニュースを並べておきましょう。これだけの動きがあること、すばらしいのですよね…。

<参照>日刊スポーツ 遼クン1億円突破の秘密は…柔らかい肩!

第7回日本抗加齢医学会総会にて院長が講演いたしました

プログラム・抄録集
第7回日本抗加齢医学会総会
7thScientificMeetingoftheJapaneseSocietyofAnti-AgingMedicine
EastmeetsWest (抄録)

2007年7月20日(金)・21日(土)
国立京都国際会館

会長
米井 嘉一
同志社大学
アンチエイジングリサーチセンター教授

主催:日本抗加齢医学会
JapaneseSocietyofAnti-AgingMedicine

加齢による肩甲胸郭関節の可動域低下の現況と臨床面での影響について

田中直史
田中整形クリニック

【目的】肩甲骨の動きは整形外科領域でも通常上肢挙上時のみが論じられ、その他は無視される傾向にあった。演者はこれまでも肩甲骨の動きを年齢層別に計測し、特にスポーツ動作での若年者の有利性等について報告してきた。今回さらに検討数を加え、臨床面からの考察を加え報告する。

【方法】肩に愁訴のない幼児から高齢者まで737例における肩甲骨の可動域を計測した。計測は立位にて両上肢を外転90度から前挙90度へと水平面自動運動をおこなわせ、一般角度計を用い、両側肩甲骨棘の傾きの変化(α値)を計測した。このα値は肩甲胸郭関節の動きとなり肩甲上腕関節の動きは180度からα値を差し引いた値となる。

【結果】幼児では外見上からも大きな動きが確認でき、α値は81度、小学4年生75度、高校生64度、20代男性57度、40代男性54度、60代男性50度、そして70代男性29度、80代男性では23度と加齢に伴い明らかに低下した。また高齢女性では70代13度、80代10度と極端に低下していた。α値が90度以上(肩甲胸郭関節>肩甲上腕関節)は幼児16%、小学2年生12%、小学4年生6%に認められた。

【結語】肩甲胸郭関節は肩甲骨と脊柱・胸郭・骨盤間の筋肉のみで構成され、骨関節疾患は原則存在せず、臨床面ではさほど重要視されてこなかった。関節包も存在しないことから、関節位置覚は不十分で正確な動きを自覚できないこと、また肩甲骨は皮下を滑るように動き、呼吸運動にも大きく影響し、非侵襲性の正確な動作解析は困難で、便宜上「動かないもの」として扱われる傾向にあった。しかし、今回の計測からも肩甲骨は本来極めて大きな動きを持ち、上半身自体の運動そのものに関わること、また高齢女性では肩甲骨の脊柱方向への内転が大きく低下し、肩甲骨周囲筋が脊柱伸展作用に働けないことと円背に強い関連性があることを示唆したい。さらに肩甲骨内転位を保持しえることで、大小胸筋・前鋸筋群も胸郭拡張に働くことから、呼吸器疾患での新たな位置づけも可能と考えられる。

『第15回南河内整形外科カンファレンス』にて講演いたしました

第15回南河内整形外科カンファレンス
日時:平成19年9月8日(土)午後3時~
場所:国立病院機構大阪南医療センター
地域医療研修センター
大阪府河内長野市木戸東町2-1
(レクチャー)司会 斉藤正伸先生(大阪南医療センター)

『肩甲胸郭関節機能とスポーツパフォーマンス』
田中整形クリニック
院長 田中直史

主な参考文献と書籍出版に関するお礼

肩甲骨の動きや肩甲骨を動かす筋力について検討したもの

(1)田中直史、大槻伸吾、他
体幹の回旋運動時における脊柱の回旋と肩甲骨の動きについての検討。
関西臨床スポーツ医・科学研究会誌、3:85-89,1993
(要約)30代男性5人を対象にX線CTを用いて、背骨の可能な捩れと肩甲骨の内外転(傾きの変化)を計測。結果は背骨の捩れは21~28度、平均24度(骨盤と肩甲骨レベル間で)であるのに対して肩甲骨の動き(本著では関節B)が48~62度(平均53度)であったことから、スポーツ動作での見かけの身体の捩れは肩甲骨の動き(関節B)が背骨よりも大きく関わっていることを示唆。
(2)田中直史、大槻伸吾、他
ゴルフスイングにおける肩甲胸郭関節の動きについて。
日本整形外科スポーツ医学会雑誌、14:79-88、1994
(要約)30代男性3人6肩に対して、ゴルフスイング動作の肩甲骨の動き(関節B)をX線CTを用いて計測し、またスイング動作下で肩甲骨周囲筋群に対して節電図を施行。結果からスイング動作では肩甲骨が胸郭の周囲を回るように移動しており、同時に肩甲骨周囲筋(肩甲骨パワー)に筋放電も認められ、決して肩甲骨は固定されたものではないことを示した。
(3)田中直史、大槻伸吾、他
水平面における肩甲上腕リズムについて。
肩関節、18:48-53、1994
(4)田中直史、大槻伸吾、他
MotionStudeiesoftheGleno-HumeralRhythmUsingaVICONMotionAnalysisSystem
日本整形外科スポーツ医学会雑誌、15:23-33、1995
(5)田中直史、大槻伸吾、他
VICONによる肩甲骨動作解析、
日本臨床バイオメカニクス学会誌、16:217-222、1995
(6)田中直史、大槻伸吾、他
投球動作時の肩甲骨動作解析。
肩関節、21:289-292、1997
(要約)30代男性2人を対象に、バイコン三次元コンピューター動作解析機を用いて解析。肩甲骨棘(きょく)にマーカーとしてワイヤーを刺入し、水平内外転、押す・引く動作、およびゴルフスイング、さらに投球動作での肩甲骨の動き(関節B)を解析した。いずれの動作においても肩甲骨は決して体幹に固定されたものではなく、手・腕とともに協調運動をとることを示した。(文献3~6)
(7)田中直史、大槻伸吾、他
いわゆるゼロ・ポジションにおける肩内外旋筋力の力源について、
臨床スポーツ医学、13:1049-1053、1996
(要約)腱板による肩の回旋筋力は拳上とともに低下し、拳上位(約150度、いわゆるゼロポジション)では腱板による肩甲上腕関節での内外旋筋力は理論上ゼロとされる。一般に投球動作ではゼロポジションで行われていることから、ゼロポジションでの筋力を計測し、腱板の役割・意義を再検討した。筋力計測器(KIN-COM)を用い、30代7人7肩の内外旋の筋力を計測。ゼロポジション(拳上約150度)では内旋筋力は下垂位に比していずれもほぼ半減していたのに対して、外旋筋力は全く低下していなかった。これは腱板(関節A)は本来肩甲上腕関節のスタビライザーであって、計測されている筋力は腱板ではなく、肩甲胸郭関節の筋力(関節B、肩甲骨パワー)であり、外旋では僧帽筋などの肩甲骨パワーがゼロポジションでも低下しづらいのに対して、内旋では主な力源である大胸筋が走行上、回旋力が低下してしまうためと説明し、肩の力源は大胸筋や広背筋だけではなく肩甲胸郭間の筋力も含めたもの(肩甲骨パワー)であることを示唆。
(8)田中直史、大槻伸吾、他
アカゲザルの肩甲骨動作解析からみたヒト肩甲胸郭関節の重要性。
京都大学霊長類研究所年報、26:90,1996
(9)田中直史、大槻伸吾、他
アカゲザルの肩甲骨動作解析、肩関節、21:255-258、1997
(要約)アカゲザル5頭10肢に対して、前肢に伴う肩甲骨の動きをレントゲン撮影(拳上時)およびビデオカメラ(水平内外転)にて解析。ぶら下がり移動を行うサル類も直立二足歩行を行うヒトもほぼ同様に、腕とともに肩甲骨が璃調運動をとることを確認し、哺乳類では肩甲骨は決して固定されたものではなく、鎖骨はいわゆるコンパス役であることを示唆。
(10)田中直史、大槻伸吾、他
肩甲骨の加齢による可動域の変化についての検討
肩関節、19:118-122、1995
(11)田中直史、大槻伸吾、他
ゴルフスイングにおける若年者の有用性
日本整形外科スポーツ医学会雑誌、15:N02、102、1995
(12)田中直史、大槻伸吾、他
肩甲胸郭関節の加齢による可動域の低下と上肢運動連鎖としての機能について、
別冊整形外科、36(肩関節):13-18、1999南江堂。
(要約)幼児から80代まで509例を対象に、外転90度(真横)から前挙90度(前になおれ)まで肩甲骨の動きの大きさを計測。年齢層によって肩甲骨の動きが異なり、同じような手の動きであっても、肩甲胸郭関節(関節B)を肩甲上腕関節(関節A)と比較し、幼児では30代に比し25倍、70代とは約4倍、さらに80代とは約6倍も大きく動かして使っていることを示した。また幼児・小学生では肩甲胸郭関節をより大きく使っている(関節B>関節A)者も認められた。以上から肩甲骨は体幹に決して固定されたものではなく、各種スポーツ動作でも上肢の一部として機能していると考えるべきことを示唆し、さらにこの部が治療医学で重要視されない理由についても本著第2章に記したように考察した。(文献12)
(13)田中直史、大槻伸吾、他
加齢に伴う肩甲骨の可動域の変化からみた肩甲胸郭関節機能について
リハビリテーション医学、37:1103、2000
(要旨)さらに症例を増やし、580人を対象に計測結果を報告。高齢女性では男性に比較して著明に低下していることから、骨粗鬆に伴う円背(背骨が丸く、いわゆる猫背になること)との関連性も示唆。肩甲骨胸郭関節の筋肉が背筋にも働く可能性(本文図5-5)についても示唆した。

巻末になりましたが、関係者の皆さまに深謝申し上げます。
  • 廣橋賢次先生(整形外科医、医学博士、大阪体育大学教授)、小児股関節、運動・スポーツ関係の権威者。医師としての私の師匠でもあります。進化論的な立場からの考えは先生の影響を強く受けていると思います。
  • 大久保衛先生(整形外科医、医学博士、大阪市中央区ダイナミックスポーツ研究所所長、前大阪市立大学医学部整形外科助教授)、スポーツ医学の権威者。これまでも発表・論文の指導に際し、多大なアドバイスをしていただきました。臨床医らしからぬ今回の出版にも暖かいご指導をいただきました。
  • 大槻伸吾氏(整形外科医、現大阪産業大学人間環境学部助教授、医局4年後輩)、学会・論文発表の共同演者として、また侵襲的な動作解析にも常に積極的に協力していただきました。彼の協力なくしては肩甲骨パワーの解明はなかったと考えています。
  • 廣谷高志氏(整形外科医、開業、医局2年後輩)、編集・構成を始め、今回の出版にあたり、多くのアドバイスを受けました。当初からの私の良き理解者です。
  • 経国正義氏(OH:6)昭和38年生、学生ゴルフ部出身。私のゴルフの師匠。「上から叩け」の実践を教えてくれるとともに、通常のアベレージゴルファーには理解困難な上級者ならではの立場・考え方を親身になって教えていただきました。モデルもほとんど彼の協力によるものです。
  • 大野良興先生(大野記念病院理事長)、今回の出版内容は直接臨床とは別の内容にも関わらず、日頃より暖かいご理解・ご支援をいただき、深謝いたします。また葉室名誉理事長をはじめ、放射線科、リハビリテーション科他多くの病院職員および関係者の皆さまにも深く感謝申し上げます。 また、同科の大沢先生、徳山先生には解析には特にご協力いただきました、お礼が遅くなっていまっておりますが、ご容赦ください。

肩甲骨可動域の計測や撮影に際しては、千里山グレース幼稚園(大阪府吹田市)、河内長野市立千代田小学校、奈良県五條市グラウンドゴルフ本町の会、さらに正道会館の西宮市部の皆さん、その他ご協力いただいたたくさんの方々に、厚くお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

診療時間

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整形外科、リハビリテーション科

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